鳥の声と共に聞えてくる。
それは、とても幸せで心地よい目覚めを促す。
トントントン
リズミカルなその音は、
まるで音楽を奏でているようだ。
「・・・・・・ん。」
「あ、起きた?もうすぐ朝ご飯できるわよ?」
野菜を刻む音はそのままに、
彼女は少しだけ顔をこちらに向けてそう言った。
「やぁ、おはよう。
・・・・ネコ娘。」
「おはよう、鬼太郎。」
朝の挨拶を済ませ、鬼太郎は欠伸をしながらのそりと起き上がる。
もう、ネコ娘と同じ朝を迎えるのはどれくらい前からなのか。
遠い昔のようにも感じるし、だからと言って退屈な日々だったわけでもない。
鬼太郎はこの穏やかな日々を、とても大切に思っていた。
ふと辺りを見渡すと、ある人物の姿がないことに気づく。
「ネコ娘、父さんは?」
鬼太郎の問いかけに、ネコ娘は眉を下げ笑いながら答えた。
「ふふっ、お養父さんったら、いつまで経っても子供みたいなんだから。」
そう言って向けた視線の先には青空が広がる。
「そろそろ呼びに行かなくちゃね!」
桶に溜めてあった水で軽く手を洗い、エプロンで濡れた手を拭きながら、
ネコ娘は外へと歩き出す。
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「やはり朝の空は気持ちいいのぅ。」
「うんっ!お日様あったかいねー!」
「ねぇねぇもめんのおじさん!今度はさ、あの山のてっぺんまで連れてってよ!」
「お安い御用たい!」
「~~~~~!」
「ん?」
誰かの声が聞えたようだった。
それに気づいた一反もめんは地上へと目をやる。
「ネコ娘ばい。」
眼下に見えるゲゲゲハウスの戸口から、ネコ娘がこちらに向かって呼びかけている。
「小春ー!伊吹ー!お養父さーん!朝ご飯よー!」
「あ!お母さんだ!」
小春と呼ばれた少女が、嬉しそうに母の姿を見つけた。
「あー、お腹空いた!ねぇ、もめんのおじさんも一緒に食べようよ!」
伊吹と呼ばれた少年がそう促す。
「そうか?」
そう言われ、分かりづらいと思われがちな表情が、嬉しそうに緩む。
「うむ、それがよかろう。」
伊吹の頭に乗った目玉おやじも楽しそうだった。
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「あ、鬼太郎。
今のうちに顔洗ってきてね!」
子供達への呼びかけが済むと、くるっと振り返り眩しい笑顔でそう告げた。
「あぁ。」
鬼太郎は短い返事をして立ち上がる。
そして戸口へと向かいネコ娘の横で止まると、鬼太郎は小さな声で呟いた。
「・・・・・永遠に続くといいな・・・。」
一瞬驚いた表情を見せたネコ娘だったが、すぐに優しく微笑んだ。
「・・・そうね。」
そして二人は青い青い空を見上げる。
いつまでもこの幸せが続くように・・・・・
やっっっと名前発表です!!
お待たせしてすみませんでした!!m(_ _)m
しかも待たせた割りに捻りがない_| ̄|〇
つけたのはネコちゃんという設定です。
伊吹も小春も3月~4月の生まれということで(←アバウト)
オリジナルなので賛否あると思いますが、
苦手な方はどうかスルーしてやってくださいませ^^;;;
物語はホントにスローペースで発展させていこうと思います。
もちろんキタネコもず~っと続けます^^