春の嵐

 

 


あたし、なんか変・・・。

ある春の日。
いつもと変わらず賑やかな妖怪長屋に、いつもとは違うネコ娘がいた。
誰かと話をするわけでもなく、ぼーっとどこか遠くを見つめていた。
誰かが話しかけても、聞いているのかいないのかわからないような返事しか返ってこない。
(あ、そうだ・・・、おやじさんにハーブティーを届けるんだったっけ・・・。)
用事があったことを思い出し、フラフラとその場を後にする。
鬼太郎の家まで歩いている間も、なんだか身体がムズムズするような、
それでいて頭はぼーっとする、そんな感覚だった。

(あたし・・・どこかおかしいのかな・・・。)
特に身体が不調なわけではない。
強いて言うなら少し熱っぽい気がする。
やがて鬼太郎の家まで辿り着き、筵を捲り中に入る。
「やぁ、ネコ娘。」
鬼太郎はいつものように出迎える。
「おやじさんに、ハーブティー持ってきたんだけど・・・。」
と言いながら、目だけをキョロキョロ動かす。
「父さんなら、今さっき出かけたよ。会わなかったかい?」
「そうなんだ・・・。あたし、ぼーっとしてて・・・。」
そう答えるネコ娘に、何かいつもとは違うものを感じる。
「ネコ娘?どこか悪いんじゃないのかい?」
心配そうに見つめている鬼太郎を、ネコ娘はぼーっと見つめ返している。
「・・・わからないの。熱っぽい気はするんだけど・・・。」
そう言ってその場にぺたんと座りこむ。
「熱?・・・本当だ。」
熱っぽいと聞き、ネコ娘の目の前までくると、自分の手をネコ娘の額に充てる。
「あっ・・・!!」
するとピクンと身体を伸ばし、声をあげた。
「!?ネコ娘?どうした!?」
そう言って両肩を掴むと、
「んあぁっ!!」
と、更にビクンと震えた。
「ネコ娘!?一体どうしたんだ!?」
痛いのか、苦しいのか、ネコ娘の中で何が起こっているのか、
まったく理解できない鬼太郎はただうろたえた。
「きたろ・・・、体が熱いよぉ・・・。」
涙を溜めて、潤んだ瞳で訴えるネコ娘はふと視線を落とし、
どうしたらいいのかわからずにオロオロしている鬼太郎の手を取り、自分の指を絡める。
「!!ネコ娘!?」
熱をもった指先が冷たい鬼太郎の手に触れ、じんわり熱くなっていく。
それを見つめ、ネコ娘の手を握り返してみる。
「んんっ・・・。」
すると苦しさとは違う、少し甘みを帯びた声をあげる。
それにドキッとしてネコ娘の顔を見ると、頬を赤く染めて鬼太郎を見つめていた。
「ネコ・・・娘・・・?」
見つめ返して名前を呼ぶと、もう体には力が入らないようでこちらに倒れこんできた。
「あっ!」
それを受けとめるように抱きしめると、
「ああぁ・・・。」
と、体をビクつかせた。
「一体・・・何が・・・。」
困惑する鬼太郎の腕の中で、ネコ娘は熱を帯びた瞳で呟いた。
「・・・きたろ・・・、あたし・・・変なの・・・。」
「ネコ娘・・・。」
何もできない自分が情けなかった。
「・・・ネコ娘、僕にできることはあるかい?」
せめて少しでも楽にしてあげられれば、そう思い優しく聞いてみる。

「・・・・。」
しかし言いづらいのか、ネコ娘はモジモジするだけ。
「言ってよ、僕にできることなら・・・。」
更に優しくそう言ってみる。

「・・・鬼太郎にしか・・・頼めない・・・。」
「何だい!?」
自分にしかできないことなら、喜んでするつもりだ。

「・・・絶対、嫌だって・・・言わない?」
心底言いづらそうに念を押す。
「言わないよ!」
ネコ娘を救うのに、否定などありえない。
鬼太郎は強く答える。
すると意を決したように、
「・・・キ・・・。」
「キ?」

「・・・キス・・・してくれる?」
「・・・えっ?」
見ればネコ娘は、これ以上ないくらいに顔を真っ赤にしている。
「ええぇぇ~~!?」

治療だとばかり思い込んでいた鬼太郎には思いがけないお願いだった。
「・・・やっぱり・・・嫌だよね・・・。」
ネコ娘はそう呟いて泣きそうになっている。
ネコ娘も恥ずかしかったのだろう。
それを思うと少し心が痛んだ。
「あ、いや、その・・・嫌なんじゃなくて、・・・びっくりしただけだよ!」
と、慰めてみる。
「本当・・・?」
「本当だよ!・・・でも、なんでキ・・・キスなの?」
今度は鬼太郎が赤くなってしまう。
「・・・昨日から、体がムズムズして・・・。あたし、おかしな病気なのかな・
・・?」
それは本能の要求だった。
正確には触れてほしいという欲求なのだが、
ネコ娘にはキスをお願いするのが精一杯だった。

そこまで聞いて鬼太郎は、はて?と考えた。

(これってもしかして・・・、発情期!?)

今は春。
猫にとっては恋の季節だ。
猫族にとっても例外ではない。
なんだ、そうかと病気じゃないことにホッとしたのも束の間、
この症状を治めるには・・・。
途端、鬼太郎の顔からボンと火が出た。
「鬼太郎・・・?」
しばらく黙っていた鬼太郎を、不思議そうに見つめてる。
「あっ、あぁ、こ、これは病気じゃないよ。」
ぎこちない笑顔で、ネコ娘に伝える。
「・・・じゃあ・・・どうしたら・・・。」
不安そうに呟くネコ娘を見て、鬼太郎は決心した。

「ネコ娘・・・・。」
そう名前を呼び、ゆっくりと顔を近づける。
「あっ・・・。」
ネコ娘の唇に鬼太郎の唇が重なる。
「んんっ!!」
目を見開いて、鬼太郎の顔を見つめる。

数秒ののち唇が離れた。
まだ戸惑うネコ娘を真っ直ぐに見つめ、
「ネコ娘・・・、僕が君を解放してあげるよ。」
「あっ・・・、き・・たろ・・・。」
ネコ娘にもなんとなくわかっていた。
最近周りの猫達も自分と変わらない様子だった。
鬼太郎はそれを治めようとしてくれている。
いくら鬼太郎が誰に対しても一生懸命だからといって、
こんなことまでするだろうか?

 否、そんなはずはない。
自惚れかもしれない。
でも、今は多少でも他の誰より自分を好いてくれていると信じたい。
「ネコ娘、・・・いいね?」
遠慮がちに確認する鬼太郎を、涙ぐみながら見つめ頷いた。
そしてもう一度口づけをする。
今度はさっきのとは違う。
角度を変えながら何度も繰り返す。
ちゅっ、ちゅっと聞こえる音に、いつしか水音が混じる。
「んふぅ・・・。」
それがとても卑猥に聞こえて、ネコ娘は堪らず声にならない声をあげる。
それを聞いて鬼太郎の体も熱くなる。
ネコ娘の柔らかい唇の感触に夢中になりながら、
もっとしたいという欲がどんどん沸き上がる。
(ネコ娘・・・!)

大切に思ってきた。
だからこそ慎重に慎重を重ね、態度に表すことも極力控えてきた。
だけど鬼太郎だって男だ。
自分のものにしてしまいたいと思う。
そんな身勝手な気持ちを、ネコ娘への想いに気づいてからずっと抑えてきた。
まさかこんな形で叶ってしまうなんて、夢にも思わなかった。
しかし今ネコ娘を救えるのは自分しかいないと言い聞かせる。

もう全身の何処にも力が入らないようで、
キスを重ねている唇が誘うように開く。
そこへ舌を差し入れ、ネコ娘の舌を探し、絡める。
「んんっ!!」
びっくりしたのか、一瞬体がこわばる。
そのままネコ娘の口内を探り、絡めた舌を吸う。
「んっ・・・んんっ・・・。」
ネコ娘は、朦朧とする頭で必死に思考を働かせる。
(あたし、鬼太郎とキスしてるの・・・?)
そう考えただけで、下腹部がきゅうんと疼く。
思わず、力の入らない腕を鬼太郎の首に回し、キュッと抱きしめる。
その瞬間、鬼太郎の動きが止まったかと思うと、すぐに抱きしめ返してきた。
(ネコ娘!!)
愛しい気持ちが溢れる。

鬼太郎はそのままネコ娘を抱え、布団に寝かせる。
そして上からその愛しい少女を優しく見つめ、
「ネコ娘・・・、こんな時にごめんよ。」
なんのことかわからず自分を見つめるネコ娘に、
「僕は君が大好きなんだ・・・。」
と告げる。
瞬間、ネコ娘の大きな瞳から涙が次々溢れだした。
「っ!!きたろ・・・、嘘じゃ・・・ないよね?」
「嘘でこんなこと言わないよ。信じられなければ何度だって言うよ。
ネコ娘、君が好きだよ。今まで言えなくてごめんよ・・・。」
そう言って優しく微笑む顔は、ネコ娘にはもう見えなかった。
涙で濡れた頬を、鬼太郎は指でなぞる。
それはとても優しくて、ネコ娘は自分の手を重ねた。
「きたろ・・・、あたしも・・・鬼太郎が好き・・・。
鬼太郎があたしのすべてなの・・・。」
本当に幸せそうに微笑んで、鬼太郎を見つめる。
もしも天使が本当にいるのなら、きっとこんなふうに
清らかな顔なんしゃないかと思った。
そんなことを考えていると、ネコ娘の両手が鬼太郎の頬を挟み、
自分のほうへと近づけていく。
そして今度はネコ娘から唇を重ねた。
気持ちを通じ合わせることがこんなにも幸せなことなのかと、
鬼太郎は初めて知った。
泣いた分更に熱を持ったネコ娘の体を、鬼太郎は優しく包んだ。
そして唇をそっと離し、頬から首筋に唇を這わせていく。
「んんっ・・・。」
そのまま耳にちゅっと口づけし、
「ネコ娘・・・、君が欲しいんだ・・・。」
と、熱を帯びた声で囁く。
「にゃあぁん・・・きたろぉ・・・。」
全身がゾクゾクする。
ネコ娘は返事の代わりに名前を呼んだ。
それを聞いて鬼太郎はちゃんちゃんこを脱ぎ、学童服も脱ぎ捨てる。
そしてネコ娘のジャンパースカートも取り去る。
そのままリボンをほどき、ブラウスのボタンを外していく。
恥ずかしそうに顔を背けるネコ娘を優しく見つめ、頬にキスをする。
すると目を開け鬼太郎を見つめて、

「鬼太郎・・・、大好き。」
と、笑う。
それがとても愛しくて、鬼太郎の胸はギュッと締め付けられる。
(あぁ、きっと僕はこれから先、君なしでは生きられないんだろうね。)
そんなふうに、自分の未来を予感した。
ネコ娘の顔を見つめたまま右手でブラウスを脱がし、
淡いピンクのブラジャーのホックを外す。
そのまま腕から外すと、真っ白な二つの膨らみが現れる。
「きたろ・・・、恥ずかしいよぉ・・・。」
顔を真っ赤に染めて恥じらう姿は、余計に欲情を誘う。
「ネコ娘・・・、綺麗だよ・・・。」
そう言って膨らみの頂点に口づける。
「ひゃっ・・・。」
小さく驚きの声をあげる。
鬼太郎はそのまま舌を這わせる。
と同時に左手でもう一つの膨らみをそっと撫でる。
「にゃあぁんっ!」
途端、甘い声が溢れる。
その声をもっと聞きたくて、鬼太郎は夢中で愛撫する。
「やぁぁ・・・んん。」
たまに聞こえる水音が、ネコ娘をより高める。
どこも敏感になっているのか、手を這わせるたびに体がピクンと反応する。
「あっ・・あぁん・・・きたろぉ・・・。」
「ネコ娘・・・、すごく可愛いよ・・・。
君の声をもっと聞かせて・・・。」
「にゃぁぁん・・・きたろぉ・・・。」
「ネコ娘っ・・・!」
切なげに呼吸する濡れた唇を少し乱暴に塞ぎ、互いの舌を絡め合う。
唇を重ねたまま、鬼太郎は右手を下へ下へと這わせていく。
そして太ももまでたどり着くと、湿り気を帯びた下着の上からそっと筋を擦る。
「にゃあぁぁん!!」
そのまま何度か上下に動かし続けると、中から溢れている蜜が染みてきた。
滑りがよくなり、固くなった花芯が指先に当たる。
途端、ネコ娘の体が大きく震える。
「あっ・・・あっ・・・はぁぁん・・・。」
それを見て、鬼太郎は下着を脱がしていく。
もう下着はビショビショだった。
そのまま足を広げる。
恥ずかしがって拒むかと思ったが、
もう力が入らないのかただされるがままだった。
膝を折り、その間に体を入れ、蜜が溢れ出している泉に顔を近付けた。
「やぁぁ・・・恥ずかしいから・・・見ないでぇ・・・。」
両手で顔を覆ってイヤイヤをする。
「大丈夫、凄く・・・綺麗だよ・・・。」
そう言ってちゅっと花芯に口づけ、そのまま口に含み舌で転がす。
「にゃああああん!!」
途端甘い声が止まらない。
「やっ・・・あぁん!き・・・たろぉ・・・変に・・・なっちゃうよぉ・・・。」
肩で息をしながら必死に訴える。
「もっと気持ちよくなっていいんだよ・・・。もっと僕に見せて?」
そう言って、今度は指で撫でる。
「あぁぁぁっ!だめぇ!!ふぁぁん!」
よほど感じているのか、自然に腰が浮く。
その姿があまりにも淫靡で、鬼太郎は我慢の限界を感じた。
すでにビクビクと脈打ち、先走り汁で下着はビショビショだった。
少しの刺激でも果ててしまいそうな自身を下着から解放し、
未だ蜜が溢れる泉にあてがう。
「ネコ娘・・・、痛いかもしれないけど・・・。」
そこまで言うとその先を遮るように、
「だい・・・じょうぶ・・だから・・・来て、鬼太郎・・・。」
息も絶え絶えに笑って見せるその姿に、理性が飛んだ。
「ネコ娘っ!!」
つぷっという音がして、そのままゆっくりと入っていく。
その感覚に鬼太郎は意識を持っていかれそうになる。
「くぅっ・・・。」
苦しげな声に引き戻され顔を見ると、必死に耐えていた。
「ネコ娘、大丈夫かい?」
「だっ、大丈夫だよ・・・。」
「ごめんよ、少しの我慢だから・・・。」
心配そうに謝る鬼太郎に、うんと笑う。
それを見て少しづつ奥へと押し進め、やがて一番奥までたどり着いた。
そして、ゆっくりと動かす。
苦しそうな声に躊躇しつつ、少しづつ動きを大きくしていくと、
ネコ娘の声にも艶が出てくるのがわかった。
「ネコ娘・・・まだ痛い?」
「あっ・・んっ・・痛く・・ないよ。」
それを聞いてホッとすると、徐々に強く腰を揺らしていく。
「あっ、にゃあぁん・・・!!」
気持ちいいのか、最後のほうは声にならない。
動かす度に中できゅっと締め付けられて、鬼太郎は今にも破裂しそうだった。
それを必死に耐えながら、どんどん腰の動きを早めていく。
「んんっ・・・はあぁん!きたろ・・・もう・・あたし・・・。」
「くっ・・・ネコ娘っ・・・。」
互いの限界が間近に迫り、あとはただ絶頂を迎えるべく腰を揺り動かす。
クチュクチュと卑猥な音が響き、二人が繋がっていることを証明していた。
「にゃあぁぁぁんっ!!」
「くぅっ・・・・!!」
最後を迎えたその瞬間、ネコ娘の中に暖かいものが溢れた。
しばらくはビクビクと震えていた鬼太郎自身を、ネコ娘は愛しく感じていた。
果てた瞬間にネコ娘の上に被さっていた鬼太郎の髪を、優しく撫でる。
「鬼太郎・・・。」
名前を呼ばれて顔をあげる。
「はぁ・・・はぁ・・・ネコ娘・・・大丈夫かい?」
自分のほうが疲れているだろうに、ネコ娘の心配をする鬼太郎の優しさが嬉しかった。
「あたしは大丈夫だよ。」
そう言って微笑んだ。
それを見て安心したように鬼太郎も微笑むと、
ネコ娘の中で小さくなりつつある自身を抜き、横に寝転ぶ。
それからネコ娘の首の下に自分の腕を入れ、抱きしめた。
「きたろ・・・。」
腕枕が嬉しくて、ネコ娘も抱きしめ返す。
「ネコ娘、これからは発情期に入ったら、僕のところにおいで。」
そう言ってちゅっとキスをする。
「もっ、もう!恥ずかしいじゃない・・・。
でも、ありがとう。」
事が終わればいつものネコ娘だった。

それを見て、鬼太郎も穏やかに微笑む。
しかし、
「・・・鬼太郎・・・?」
「何だい?」
そう答える鬼太郎に、ネコ娘から口づけた。
「ネコ娘・・・?」
「あのね・・・。」
そう言って、鬼太郎の手を自分の頬に充てる。
「?」
まだ熱を持っている頬を触りながら不思議そうな顔の鬼太郎に、
「・・・もう一回・・・して?」
まさかの一言に驚いた。
「・・・足りなかった?」
「・・・まだ熱が治まらなくて・・・。
それにさっきは痛かったけど、次はもっと鬼太郎を感じられるかな・・・って。」
言いながら恥ずかしそうに俯く。
いじらしいその姿に、さっき果てたばかりの自身がすぐに固くなる。
「ネコ娘・・・、今度はもっと気持ちよくしてあげるよ・・・。」
ネコ娘は恥ずかしくも嬉しそうに微笑みながら、
「鬼太郎、大好き。」
と、キスをせがむ。
(あぁ・・・、君はどこまで僕を夢中にさせるの?)
そう心の中で問いかけながら、深く深く口づけを交した。

(僕のすべてを君に捧げるから、永遠に側にいて・・・。)

 

                終                                             

 

 

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