どうしてこうなったのか。
今僕は目の前に曝け出された白い白い肌から目が離せないでいた。
「あのね、鬼太郎・・・・。
オイル、塗ってくれない・・・・?」
ある夏の日、僕らは横丁メンバー数人と海へ遊びにきていた。
皆思い思いに海を楽しみ、僕はパラソルの下でのんびり寝そべっていた。
そこへ水着に着替えたネコ娘がやってきて言った。
「ろくちゃんは鷲尾さんとどっかに行っちゃって・・・・。
だから、鬼太郎にしか頼めなくて・・・・。」
今回はろくろ首の恋人、鷲尾さんも同行していた。
二人は早速どこかへ出掛けたらしく、ネコ娘は恥ずかしそうにもじもじしていた。
「・・・・仕方ないなぁ・・・。」
僕は渋々といった感じで起き上がり、ネコ娘からオイルの容器を受け取る。
「ありがとう。」
ネコ娘はそう言ってうつ伏せになり、首の後ろで結んである紐を解いた。
すると、水着から開放された胸の膨らみがぷるりと震えた。
それを見た僕の心臓は、ドクリと跳ねる。
更にその背中に目をやれば、見ただけでわかるキメの細かさに胸が高鳴る。
「・・・鬼太郎・・・?」
いつまでも作業にかからない僕を不思議に思ったのだろう。
ネコ娘が頬を染めて見上げる。
「あっ・・・ごめん!」
「??」
なぜ謝られているのかさっぱりわからないという表情のネコ娘とは裏腹に、
僕の胸は煩く鼓動する。
でも、いつまでもこのままではいられない。
僕は意を決してその滑らかな肌にオイルを滑らせた。
すると、オイルの感触に、なのか、それとも僕の手の感触になのか、
ネコ娘はピクンと身体を震わせた。
そんなネコ娘に構うことなく、
僕はその肌の吸い付くような感触に夢中になっていた。
何度も往復する僕の手の平に、ネコ娘の背中が熱を帯びてきた。
熱い。
これは太陽のせいなのか?
それすらもわからないくらい、僕の理性は働かなくなっていた。
やがて僕の意思とは関係なく、その手は太ももへと伸びて、
その柔らかくも弾力のある肌を撫でていた。
僕の頭の中は、ただただ柔らかな肌の感触しか感じられなくなっていた。
身体の中心にも熱いものを感じる。
このまま誰もいない場所へ連れ去ってしまおうか。
そんな風に考えネコ娘の顔を見ると、
その頬は赤く、目は閉じられ、うっすらと涙を浮かべていた。
更に息は浅く、時折小さく声を発している。
僕の理性はそこで途切れる・・・。
「なんだい、なんだい!鬼太郎!アタイにも塗っとくれよ!」
突然降ってきた声に咄嗟に意識を戻された。
「ア・・・アマビエ・・・・!!」
「ん?どうかしたのかい??」
突然の登場に慌てる僕らだが、
当のアマビエは不思議そうに見ている。
「いっ・・・いや、なんでもないよ!!」
「そ、そう!なんでもないの!!きっ・・・鬼太郎、ありがとう!!」
「あ、いや、どういたしまして・・・。」
不自然に慌てる僕達を、アマビエは頭にはてなマークを浮かべて見ていた。
「じゃ、じゃあ、あたしは泳いでくるわね!」
「あ、うん・・・・。」
ネコ娘は紐を結び直し、海へと駆けていった。
「あ!ネコ娘~!アタイもいくよ~!!」
アマビエも後を追う。
一人残された僕は、右手に残る柔らかな肌の感触を思い出していた。
終
けつねうろんさんからいただいた相互リンク記念のイラストに駄文をつけさせていただきました^^;
けつねうろんさん、どうもありがとうございました!!