君がいるから

P7311002.JPG

鬼界ヶ島から戻り歓迎を受けたあと、僕は家に帰った。

座って一息ついたとき、階段を駆け上がる足音がした。

「鬼太郎っ!!」

息を切らして、眉間にシワを寄せて、ネコ娘は肩で息をしていた。

「ただいま、ネコ娘・・・。」

そう言いきらないうちに、彼女が縋り付いてきた。

「ネコ娘・・・・。」

「うっ・・・ひっく・・・きたろ・・・・よかった・・・・。」

泣きながら僕の胸に顔を寄せる彼女。

心配させて悪いと思っているのに、彼女から香るいい匂いに気がいってしまう。

「・・・おかえりっ・・・・鬼太郎・・・。」

そう言って上げた顔は痛々しくもキレイだった。

「・・・心配かけて、ごめんよ。」

少し頬が赤くなっているかもしれない。

そんな自分の心に気づかれないように、優しくそう言った。

彼女はそれだけで満足したように、にっこりと微笑んだ。

君を連れていかなくてよかった。 

そして、ここへ帰ってこれてよかった。

君のその笑顔が見れるなら、

僕は戦うことを恐れない。

 

 

 

 

TOPへ   展示部屋へ