鬼界ヶ島から戻り歓迎を受けたあと、僕は家に帰った。
座って一息ついたとき、階段を駆け上がる足音がした。
「鬼太郎っ!!」
息を切らして、眉間にシワを寄せて、ネコ娘は肩で息をしていた。
「ただいま、ネコ娘・・・。」
そう言いきらないうちに、彼女が縋り付いてきた。
「ネコ娘・・・・。」
「うっ・・・ひっく・・・きたろ・・・・よかった・・・・。」
泣きながら僕の胸に顔を寄せる彼女。
心配させて悪いと思っているのに、彼女から香るいい匂いに気がいってしまう。
「・・・おかえりっ・・・・鬼太郎・・・。」
そう言って上げた顔は痛々しくもキレイだった。
「・・・心配かけて、ごめんよ。」
少し頬が赤くなっているかもしれない。
そんな自分の心に気づかれないように、優しくそう言った。
彼女はそれだけで満足したように、にっこりと微笑んだ。
君を連れていかなくてよかった。
そして、ここへ帰ってこれてよかった。
君のその笑顔が見れるなら、
僕は戦うことを恐れない。
終