「あ・・・あの・・・きた・・・ろ・・・・?」
そう見上げる先にはたった一つの目に妖しい光を湛えた鬼太郎が立っていた。
「ねぇ、ネコ娘・・・・。」
「な・・・何・・・・?」
自分を呼ぶ声に含まれる艶っぽさに、ネコ娘の肩がピクリと動いた。
「・・・君はもう少し自覚したほうがいいよ。」
「・・・・?」
なんのことかさっぱりなネコ娘に、鬼太郎は続ける。
「君は女の子だろう?相手が人間でも妖怪でも、もう少し警戒しないと・・・。」
そう言いながらゆっくりとこちらへ向かってくる。
「き・・・きたろ・・・何を・・・・?」
いつもと違う雰囲気に、ネコ娘は鬼太郎から目が離せない。
「だからさ、僕が教えてあげるよ・・・・。
無防備でいたら、どういうことになるかをね・・・・。」
シュルッという音がしたと思ったら、胸のリボンが解かれた。
「っ!!」
ネコ娘は咄嗟に後ずさる。
「ふふっ・・・、僕から逃げられると思うのかい?」
鬼太郎はそう言って、逃げようとするネコ娘の腕を掴み、妖しげな笑みを浮かべる。
「きっ・・・きたろ・・・・。」
ネコ娘はどうしたらいいかわからず、ただ名前を呼ぶが、
次の瞬間、スッと耳元に鬼太郎が顔を近づけた。
「・・・僕じゃ嫌かい?」
そう囁く声はどこか切ない。
そんな鬼太郎の言葉に、ネコ娘の胸が高鳴る。
そしてこれからしようとしていることを自分に納得させた。
「・・・・嫌・・・じゃない・・・。鬼太郎じゃなきゃ・・・・イヤ・・・。」
「・・・よかった。」
ホッとしたようにそう呟くと、そのままネコ娘の肩をゆっくりと倒していく。
「あっ・・・・・・・。」
「・・・・怖がらなくていいよ・・・、ネコ娘・・・。」
「きたろぉ・・・・・。」
互いの名前を呼び、二人の影が一つに重なった・・・・。
終