乙女が寄れば

ゲゲゲハウスに遊びに来たロックマンとロール。

「やぁ、いらっしゃい。」

「お邪魔します。」 

短い挨拶を交わし、部屋へと招かれる二人。 

すると、お互いの境遇を知るネコ娘とロールはすぐに意気投合。

それとなく雰囲気を察知した鬼太郎がロックマンをさりげなく呼び寄せる。

「あ、女の子は女の子同士話すこともあるだろうし、こっちで話さないかい?」

「え?あ、うん。」

キョトン顔のロックマンに苦笑いの鬼太郎。

一方、部屋の中心では乙女二人がなにやら話し込んでいる。

「ロールちゃんも大変ね~。

まぁ、こっちも同じようなもんだけどォ~。」

「うんうん、わかるわ~!ネコちゃんも苦労するわよね~!」

「ホントよ~!この前もね~・・・・。」

そんな会話を交わしながらうんうんと頷いたり、時には頬を染めながら語り合う二人。

 

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そんな二人を不思議そうに見つめるロックマンと、

イヤな汗をかいて背中を向ける鬼太郎に、時折向けられる視線が痛い。

「ど、どうしたの?二人とも・・・・。」

まるで睨まれるような視線に、ロックマンも顔が引きつる。

それを見たロールの口からは盛大な溜め息が漏れる。

「はぁぁ・・・・、ホントに鈍いんだから・・・・。」

「ロールちゃん・・・・?」

なんのことかさっぱりわからず頭の上に「?」マークをいっぱい浮かべるロックマン。

「ロールちゃん、その気持ち、よぉぉ~~くわかるわ!」

そう言ってロールの肩に手を置くネコ娘。

「私達、似たもの同士ね!」

そう言って、ロールは肩に置かれたネコ娘の手を握る。

「うんうん!」

涙を流して手を握り合う二人に、完全に置いてけぼりなロックマン。

「・・・えっと・・・・鬼太郎くん、僕何か悪いことしたのかな・・・・?」

思わず鬼太郎に救いの手を求めるロックマン。

「・・・いや、君は悪くないと思うよ?

乙女心っていうのは複雑らしいからね。」

そう言って眉を下げる鬼太郎。

「そう・・・なんだ・・・・。」

いまいち納得がいかないロックマン。

「あ、そうだ。よかったらゲゲゲの森を案内するよ。」

「え?あ、うん。じゃあ、お願いしようかな・・・。」

そう言って鬼太郎はロックマンを連れ出す。

白熱する乙女の愚痴大会の横をすり抜け、男二人は脱出に成功した。

「君も彼女には随分心配かけてるみたいだね。」

「え?あはは、そう・・・・だね。」

「たまにはちゃんと、向き合ってあげたほうがいいと思うよ?

・・・・って、僕が言える立場じゃないけどね。」

そう言って頭をかく鬼太郎。

「はは、そうだね・・・。」

振り返れば、楽しそうな笑い声が聞えてくる。

 

 

 

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