「ハァ・・・。」
ある日のゲゲゲハウス。
いつものようにゴロゴロしている鬼太郎と、
お気に入りの茶碗風呂に浸かっている目玉おやじ、
そしてちゃぶ台に置いた両手を見つめながら溜め息を漏らすネコ娘がいた。
「どうしたんだい、ネコ娘?」
深い溜め息を聞いて、寝そべったままの鬼太郎が尋ねてきた。
「・・・あたし、役に立ってるのかなぁ・・・。」
ネコ娘は自分の手を見つめながらそう呟いた。
戦いにおいてのことを言っているのだろう。
鬼太郎は起き上がり、ネコ娘の横に胡坐を掻く。
「どうしたんだい?急に。」
悩んでいる様子のネコ娘に、鬼太郎は優しく問いかける。
「あたしには爪と牙しかないし、妖力も強くない・・・。
このまま鬼太郎の側にいても足手まといなんじゃないかって・・・。」
そう話す瞳が、悲しみを湛え始める。
「・・・ねぇ、ネコ娘。」
穏やかに名前を呼ばれ、思わず顔を上げる。
「僕は君に感謝してるよ。」
そう言って、少し照れくさそうに微笑む。
「それに、前に出て戦うだけが戦力じゃない。
君は何時だって、僕を助けてくれてるじゃないか。」
「鬼太郎・・・。」
「君は女の子だろう?戦いで傷つく姿を平気で見てられるほど、
僕は無神経じゃないよ。」
あぁそうか。
視線を落としながら話す鬼太郎を見て、ネコ娘は嬉しくなる。
(あたしのこと、女の子扱いしてくれてるんだ・・・。)
「・・・ありがとう、鬼太郎。」
そう言って微笑むと、鬼太郎もにっこりと笑顔になる。
「あっ、お茶入れるね!」
笑顔でそう言って、ネコ娘は立ち上がる。
鬼太郎はその姿を目で追った。
(君はわかってないな。
僕がどれだけその笑顔に力をもらってるかを。)
ねぇ ネコ娘
君は僕が守るから
何時でもそうして
僕の側で笑っていて・・・
終